みんなしりたいリンケージ今週のひみつ
~放課後等デイサービスより~
今週のテーマは「PTMF」です。
私たち人間は年齢や経験、性格に関わらず誰しも漠然とした生きづらさや、説明のつかない心の疲れを感じることがあります。
そうしたとき、つい「病気なのだろうか?」と考えてしまいがちですが、心の不調は必ずしも診断名で割り切れるものではありません。
今回ご紹介するPTMFは、そんな心の不調、苦悩を「病気」ではない視点から理解しようとする新しい考え方です。
PTMFは、Power Threat Meaning Frameworkの略で、精神科診断に基づく伝統的・主流の医療・治療モデルへの代替アプローチとして、イギリスの専門家(心理士など)と利用者の協力によって研究され、2018年にまとまった形となりました。
PTMFは、心の不調、苦悩を、以下の4つの問いかけを通して理解しようとします。
1.「どんなことがあなたに起きましたか?」~パワー(Power)~
・その人の人生に影響を与えてきた「力(パワー)」は何だったのか。
・生物学的な力から、家庭環境、人間関係、過去のトラウマなど、その人を取り巻く様々な影響を含む。
2.「その出来事はあなたにどのような影響を及ぼしましたか?」~脅威(Threat)~
・その人にどんな恐怖や脅威をもたらしたか。
3.「あなたはそのことをどのように理解しましたか?」~意味(Meaning)~
・その脅威に対して、その人はどのような「意味」を見出したか。
4.「生き延びるために、何をする必要がありましたか?」
・その脅威に対して、その人はこれまでどのように対処してきたのか。
PTMFはこれらの問いを通じて、心の不調、苦悩が単なる「病気の症状」ではなく、その人が困難を生き抜くための「サバイバル戦略」としてとられた「自分自身を守るためのもの」として捉えなおすフレームワークです。
PTMFは、その人の心の不調や苦悩を、その人自身の物語として深く理解するために有効な手法です。診断名にとらわれず、その人の経験や感情に寄り添い、その背景にあるその人を脅かす「パワー」や「脅威」を紐解き、新たな「意味」を見出すことで、その人の自己理解と問題解決への力を手助けすることが出来ます。
PTMFは現在、診断名では説明できない心のモヤモヤを抱えている人や、心理専門職の人々から注目されている新しい手法です。私たちも大切な視点として支援の現場で活かせるよう考えていきたいと思います。