みんな知りたいリンケージ今週のひみつは、児童発達支援「発達支援ルームそらまめ」からです。
今週のテーマは「マッチング」です。
先日、床一面にフェルトマットをバラバラに敷いてマッチングの課題を行いました。スタッフが指定した色や形のフェルトマットを探し、見つけたらマットの上に乗ってもらうというものです。
普段の個別療育では机上で絵カードを提示し、色や形、物の名前を答えてもらうというマッチングをよく行っています。机上でのマッチングは容易にできてしまうお子さんも「床一面に広がったフェルトマット」という普段と異なる環境に少し戸惑った様子を見せたり、間違ったものを選んでしまったりすることが見られました。スタッフに新たな気付きを与えてくれるできごとでした。
(以下、永井洋子・武藤直子著『家族と専門家に役立つASD(自閉スペクトラム症)子育てガイドブック: 太田ステージの愛と科学に基づいて』(2022)ぶどう社 参照)
「私たちは、はじめて見る帽子の絵でも“帽子”とわかります。私たちは、形は様々でも、そこに“帽子”というシンボルをつけます。頭にかぶるもので、同じものだとわかっているからです。共通点をみつけて、それを言葉で表します。
しかし、ASDの人たちには、シンボル機能の形成に遅れが見られます。そのため、自分の帽子(例えばいつもかぶるキャップ)だけが、“帽子”だったりするのです。
また、いつもと違う状況で、「手を洗って」と言われると指示がわからなかったりします。」
先日のできごとから「シンボル機能」の獲得が十分だと判断していたお子さんも、まだまだ様々な環境におけるマッチングトレーニングが必要だと改めて認識することができました。
日々の支援の中で、新たな気付きを大事にし、スタッフ自身も成長していきたいと思います。