今回のテーマは「トラウマインフォームドケア」です。
令和4年度も大変お世話になりました。
リンケージは子どもや若者たちへの直接支援のほかに発達障がいに関する講演会や研修会などの啓蒙活動を行っています。
今年度の特徴として「トラウマインフォームドケア」に関する講演会のご依頼が多かったように思います。
トラウマとは「こころのケガ」とも言われます。
からだのケガは治っていく様子が見えるので、周囲も自分もケガをしたところを大事に守ることができます。一方でこころのケガは目に見えないことから、ケガを負っていることに気づかず、状態を悪化させてしまうこともあります。
そこで私たちが理解しておきたいのが「トラウマインフォームドケア」です。
トラウマインフォームドケアとは、「トラウマをよく理解してケアしようね」ということです。
私たちは自分の風邪の症状をよく知っています。例えば、鼻水や咳、悪寒、発熱などでしょうか。
風邪を引いたときにどうすればいいかも知っています。例えば、消化の良いものを食べて、温かくしてゆっくり眠るでしょうか。
風邪をひかないようにするにはどうすればいいかも知っています。うがいや手洗い、栄養や睡眠、運動などを日常生活に取り入れるなどでしょうか。
同じように、こころのケガを負ったときに自分に起きることや、回復のためのケアの方法などを知っていることで、こころにもちゃんとかさぶたができて、治す手助けができるようになります。
トラウマは悪いことばかりでなく、人格的な成長を促すこともあります。
令和5年度もトラウマをよく理解し、お互いの人生がより豊かなものになるよう務めたいと思います。